横浜市都筑区で店を構える「日本料理 まつ本」の御主人、松本 淳さんとは同期で20年来のお付き合いになる。 エクロールオープン当初は、先に独立した松本さんからいろいろなアドバイスも頂いた。「長谷川、商売はあきないだから、焦らず気長に頑張れ」と。
先日お店に伺った折、用意して頂いたのが、冬の絶品 『ふぐ』 料理。
世界で160種、日本周辺に約50種が分布し、中でも最も美味と言われるのがトラフグ。
白身で淡白、低脂肪。繊維質で弾力のある肉質の為、刺身は薄く切って美しく盛り付けてある。その 『ふぐ刺し』 を噛みしめると、ウッ、旨い。 コラーゲンたっぷり、プリプリした歯ごたえの皮の湯引きも堪能。やみつきになりそうな 『唐揚げ』 も御馳走になり、えもいわれぬ 『ふぐちり』鍋に舌鼓。締めは御主人も「ふぐ料理で一番美味しい」と話す 『雑炊』 で。
季節感を大切にした丁寧な仕事、おもてなしのこころ。
何度でも訪れたくなるおすすめの一軒。
日本料理 まつ本
〒224-0032 神奈川県横浜市都筑区茅ヶ崎中央 12-5-101
横浜市営地下鉄センター南駅 徒歩5分 TEL 045-942-9129
営業時間:昼/11:30~14:00 夜/18:00~23:00 月曜定休
魚に雪と書き、冬の北国の代表とも言えるタラ。
そのマダラの精巣。(スケトウダラの卵巣の塩蔵品が「たらこ」。)
ミネラルやビタミンに富んでいる。
タラちり、鍋料理には欠かせない存在。もちろんブイヤベースにも加えたい。
裏漉して熱々のロワイヤルに仕立て、柚子バターソースを添えアミューズグールに。
また、さっと湯がいて、根菜類のポ・ト・フーに浮かべたり。
定番のおすすめは “白子のムニエル”。 表面を香ばしくこんがり焼き、ナイフを入れると
中はトロッ。 ブール・ノワゼット(はしばみ色に焦がしたバター)と、シェリーヴィネガーの
ソースに、ケッパーも加え、からめるように添える。
付け合わせには、甘い寒締めのちぢみほうれん草のソテーを。
開店以来数々のお気遣いを頂いている 新潟の徐さんが、冬になると送ってくださるのが、
新潟産の洋梨 「ル・レクチェ」。 驚くほどなめらかな舌ざわり、上品な甘味、豊潤な芳香。
まさに “にいがたの逸品”。 いつも本当にありがとうございます。
徐さんが燕市で営まれる 『杭州飯店』 さんは、全国のラーメン通に知られる、煮干し系・
背脂・極太麺、新潟発祥のお店。もちろん地元の人気も絶大で、一度食べたらやみつきになってしまう。 その大きさに圧倒される、もちもちした麺生地皮の “餃子” も名物。
みなさん、ぜひ燕まで足をお運びください。
杭州飯店 新潟県燕市西燕49-4 TEL 0256-64-3770
営/11:00~20:30 休/月曜(祝日の場合は翌日)
毎年11月第3木曜日に解禁される、フランス・ブルゴーニュ地方、ボジョレー地区で生産される赤ワインの新酒。日本でもすっかりお馴染みとなっている。
その年に採れたガメイ種の葡萄を、マセラシオン・カルボニックと呼ばれる製法で、早く色素を抽出し、渋みの少ないフルーティーなワインに仕上げる。
2007年の解禁日は15日。初の試みで3日間フェアを行ったところ、予想以上(予想外?)の大反響に、改めてヌーヴォー人気を痛感させられた。
用意した Joseph Drouhin 、Jean-Marc Bessone の Villages Nouveau 2007 がまたたく間に完売!
ご常連様の『でも、家で飲むより、やっぱりレストランで飲んだほうが格段に美味しいね』の
お言葉に、スタッフからも「フェア成功でしたね❤」
鯖の仲間には、青い背に「く」の字の斑模様があるマサバ(旬は脂の乗った秋)、腹に胡麻のような黒い点々があるゴマサバ(旬は夏)、他にタイセイヨウサバがある。
「さばを読む」(数をごまかすこと)と言われる位、昔は大量に漁獲される大衆魚であった。
現在は『関さば』(大分県佐賀関)のように、漁師さんや、漁協、仲買人さんらの努力でブランド化したものも味わえる。
和食ではお馴染みの塩焼き、竜田揚げ、締めサバ、味噌煮、みりん干しなど。
エクロールでの人気の前菜は、通称「サバじゃが」。
フィレにした鯖にたっぷりと砂糖をまぶし30分脱水する。洗い流したらやはりたっぷりめに
塩を振り1時間置く。塩を流しよく拭き取り、ワインヴィネガーで30分マリネして締める。
インカのめざめ(黄色いアンデスポテト)をマッシュにし、塩、胡椒、EXヴァージンオリーヴオイル、ゼラチンを加える。
とよ型に層になるように交互に詰めていく。固まったら2㎝厚さに切り、バルサミコヴィネグレットを添える。お寿司で言ったら、ポテトがシャリ。築地フレンチならではの一品。
尊敬する先輩、武井智春さんが総料理長を務めるのは、2007年夏、伊豆・湯ヶ島にオープンしたリゾート・フレンチ・オーベルジュ『ARCANA IZU』。
シェフを支える若手スタッフ、糸井佑磨君が休日にお土産を持って来てくれた。
修善寺特産の黒米。
ビタミンE、ミネラル、繊維質が豊富で、黒色色素アントシアニンは血管を保護し、動脈硬化を予防する効果がある。中国では漢時代以降、皇帝に健康米として献上されたと言われ、古代米とも呼ばれている。
白米と炊き、地鶏の皮と身の間に挟みローストしたり、パルミジャーノ風味のリゾットにして魚介類と組み合わせてみる。
武井シェフの洗練されたこだわりの料理と、露天風呂付きのスィートルーム。
都会の喧騒から離れて、森と渓流、自然に囲まれた非日常空間を満喫したい。
ARCANA IZU アルカナ イズ
〒410-3206 静岡県伊豆市湯ヶ島1662 TEL 0558-85-2700
ロシア語で“卵”の意味。
秋サケが採れる頃、市場には生の腹子が多く並ぶようになる。
サケの未熟卵を卵巣ごと塩蔵したのが筋子(スジコ)、成熟した卵を一粒ずつ離して塩漬けにしたものがイクラ。
イクラの作り方 : 手を入れて少し熱い位の熱湯の中に、生の腹子を入れ、ていねいに一粒ずつときほぐす。(金網や大根おろしでほぐす方法もある。)膜や筋は何度か水を取り替え流す。卵をざるにあげ水を切り、塩を振る。または醤油や酒などに漬け込む。
今回は前菜に添えてみようと、シャンパン漬けにしてみた。旨い。ワインがすすみそう。
その「プチプチ」した食感で子供たちも大好きなイクラ。
おふくろが作ってくれた故郷・新潟の郷土料理「のっぺい汁」には、茹で上がった“目玉おやじ”みたいなイクラがいっぱい入っていたなぁ…。
ヒルガオ科のつる性多年草。中央アメリカ原産。
さつまいもの名は、青木昆陽が薩摩藩の芋を全国に普及したことによる。
紅あか、紅あずま、高系14号(鳴門金時、土佐紅、五郎島金時など)が主流で、皮の白い黄金芋(こがねいも)や、中がオレンジ色や紫色の品種も最近人気がある。
日本では40種、世界ではなんと4000種と言われる。
主成分は炭水化物でデンプンが多い。甘味成分である蔗糖やブドウ糖など、また繊維や
ビタミンCも含む。
石焼いも風に、アルミで包んでオーヴンで焼いてからポタージュに仕立て、クルトン代わりの大學芋を浮かべる。
デザートではスィートポテトのパイ包み焼きや、ムラサキイモとココナッツミルクのスープにブラックタピオカと胡麻のアイスを添える、など。
ちなみに「さつまいもを食べるとガスが出やすい」のは、デンプンの中に1~2割ほど消化・吸収されないものが含まれているせいらしい………。
タイと名が付くが、鯛の仲間ではなく、スズキ目イトヨリダイ科の魚。
本州中部からオーストラリアまでの西太平洋に分布。旬は秋から冬。
赤くスマートな体型に、鮮やかな黄色い線が筋のように入る。 尾びれの上部が長く伸び、糸を撚(よ)っているように見えるところから、「糸より」と呼ばれる。 英語名も「ゴールデン・スレッド golden thread (金の糸)」。えら蓋上部付け根の赤斑点も特徴の一つ。
以前はフランスの「ルージェ rouget」の代用として使われることもあったが、繊細でくせのない身質は別物。関西では特に珍重され、蒸し物や煮付け、碗種にされることが多い。
良質なタンパク質と豊富なビタミンDを含む。
その綺麗な皮目で外側を囲むように、中はオマール海老とムースを詰めたテリーヌに仕立てる。 また舌平目のように細長く切りグージョネットにしてフリットに。
トマトやオリーヴ、ハーブを使った“プロヴァンス風”としてもメニューによく登場。
本橋大志君は、浅草の「レストラン大宮」さんで修業後、アメリカの大使館で料理人を務めている好青年。渡米前にはエクロールも手伝って頂いた。本橋君から送られてきたのは、
見事に大きな HONEY DEW MELON (“はちみつのしずく”の意)。 食べ頃に熟したその味は名前の如くまさにハニー。そして食べ応え充分!これだけのメロンを堪能したのは久し振り、いや初めてかも。
メロンには皮に網目のあるネット系と、なめらかなノーネット系があり、ハニーデューは後者。クリーム~白緑色をした皮に、果肉は薄緑色(オレンジ色の品種もある)。ジューシーで
しっかりした肉質が特徴。収穫時期違いでメキシコでも栽培されている。
日本ではハネデュー、ハネジュー、羽根十など、いずれも日本語読みしたもので親しまれている。
このメロンのように、ひとまわりも大きく成長した本橋君に再会するのが楽しみです。
もしかしてアメリカで知り合った“ハニー”も連れて帰って来たりして……!?